振袖の雑誌がスゴイ
2005年 11月 22日
日曜日、久しぶりに美容院に行ってきました。
美容院に行けなかっただけでなく、トリートメントを切らしたまま買いにも行けず、静電気もものすごい、という惨状でしたが、ようやく人間らしくなったような気がします。
今お願いしている美容師さんはもう10年お世話になっている方で、着付けやヘアメイクもできる方。いつもきものの特集が組まれた雑誌をめくっては
「これいいね~こういうのが着た~い」
「え~これはちょっと・・・・」
「この前TVで〇〇さんが着てたのは・・・・」
と好きなことを言い合っています。
先日話題になったのはある振袖の本。
「振袖の雑誌、見ました?着付けがひどいんですよ」という話しになりました。
毎年この時期に2,3冊出る振袖の本はもちろん目を通してはいるのですが、通常お客様におすすめできるスタイルとはまた異なるので、さっと立ち読みをする程度です。
「衿がものすごく広くて」とその本を見せてもらったのですが・・・・・
その本を見るまでは「仮仕立てのものを着せているから、衿と肩の柄がつながっているものを、柄の見せ方優先で広くなっているのでは?」と思っていたのですが、そんななまやさしいものではありませんでした。
以下、2人の会話の内容の要約です。
・衿が広い
柄には関係なく広い、太ってみえたり、振袖が貧弱に見えたりしている
・胴に巻いた時の帯の巾が広い
これはちょうど良いところで2つ折りにしてしまうと、商品にならなくなるから?
・胴に巻いた時、帯が台形ですそが広くなっている、胴の幅より帯の部分の幅が狭くなっている
補正をあまりしていない、実際に巻かずに固定しているだけで、固定がうまくいっていない
・衿の幅がおかしいから柄がよく見えない・肩が貧弱に見える
これは撮影する肩もその辺りを心得ていないに違いない、
・ふっくらしたモデルさんがよりふっくら、細いモデルさんがさらに細く見える
衿合わせの角度がマズイ、その他いろいろ
・ひよく衿・帯揚げが全然ダメ
衿がふかふか浮いていて、分量的にも出しすぎ、2,3枚重ねた時の質感も色も合っていない
帯揚げのボリューム感重視で、全体のバランスや振袖自体の雰囲気に合わない
・あごにまでチークを入れたパステル系のメイク
ブタさんの貯金箱にしか見えない
いちおう数年前からずっと続いている、まともだったはずの振袖の本です。
着付けはいったいどこが?と思わず探してしまいましたが、着付け教室も開いている有名なところでした。
仮仕立てだったり、実際に帯を巻けないから固定するだけ、といのは雑誌の撮影ではよくあるはずです。
そもそも着物の撮影に慣れたプロのカメラマンなら、このくらいの着付けだとダメだしがあってもいいのではと思うのですが。
ここ数年きものの雑誌がたくさん作られるようになって、着付けの方もカメラマンさんも人手不足なのでしょうか。
慣れた方がよりギャラのいい仕事に移ってしまうのでしょうか。
奇抜なスタイルには比較的寛容なほうだと自負しておりますが、振袖がきものデビューとなる方もいらっしゃるでしょう。
そういう方が見る本が振袖の魅力を伝え切れていないのはとても残念です。
柄+柄のコーディネートを最初に提唱してきた方たちは、とてもセンスの良い合わせ方をしていました。
質感や色の分量、柄の大きさなどがトータルして見た時にバランスが良かったんですね。
でも今はなんでもかんでも柄+柄で、保守的な考えでなくてもどうかと思う組み合わせも多いです。
雑誌やCMできもの姿を見かけても、????と思うような色使いに驚くことも多くなりました。
この上着付けまでおかしくなったらどうしてくれましょう。
美容院の帰りに立ち寄ったお店は、白いコットンにミニチュアの熊手などで、すす払いをイメージしたディスプレイでした。
その熊手を見て、
「雑誌の着付けまでおかしいのが当たり前になったら、私は髪に小さい熊手をさして、きもの着て歩いてやる!」
と心に誓いました。
もし鷲(おおとり)神社あたりで熊手のミニチュアを髪にさして歩いている着物姿のあやしい人物を見かけたら、それは私です。
うめももさくら コメント&トラックバック お気軽にどうぞ♪
美容院に行けなかっただけでなく、トリートメントを切らしたまま買いにも行けず、静電気もものすごい、という惨状でしたが、ようやく人間らしくなったような気がします。
今お願いしている美容師さんはもう10年お世話になっている方で、着付けやヘアメイクもできる方。いつもきものの特集が組まれた雑誌をめくっては
「これいいね~こういうのが着た~い」
「え~これはちょっと・・・・」
「この前TVで〇〇さんが着てたのは・・・・」
と好きなことを言い合っています。
先日話題になったのはある振袖の本。
「振袖の雑誌、見ました?着付けがひどいんですよ」という話しになりました。
毎年この時期に2,3冊出る振袖の本はもちろん目を通してはいるのですが、通常お客様におすすめできるスタイルとはまた異なるので、さっと立ち読みをする程度です。
「衿がものすごく広くて」とその本を見せてもらったのですが・・・・・
その本を見るまでは「仮仕立てのものを着せているから、衿と肩の柄がつながっているものを、柄の見せ方優先で広くなっているのでは?」と思っていたのですが、そんななまやさしいものではありませんでした。
以下、2人の会話の内容の要約です。
・衿が広い
柄には関係なく広い、太ってみえたり、振袖が貧弱に見えたりしている
・胴に巻いた時の帯の巾が広い
これはちょうど良いところで2つ折りにしてしまうと、商品にならなくなるから?
・胴に巻いた時、帯が台形ですそが広くなっている、胴の幅より帯の部分の幅が狭くなっている
補正をあまりしていない、実際に巻かずに固定しているだけで、固定がうまくいっていない
・衿の幅がおかしいから柄がよく見えない・肩が貧弱に見える
これは撮影する肩もその辺りを心得ていないに違いない、
・ふっくらしたモデルさんがよりふっくら、細いモデルさんがさらに細く見える
衿合わせの角度がマズイ、その他いろいろ
・ひよく衿・帯揚げが全然ダメ
衿がふかふか浮いていて、分量的にも出しすぎ、2,3枚重ねた時の質感も色も合っていない
帯揚げのボリューム感重視で、全体のバランスや振袖自体の雰囲気に合わない
・あごにまでチークを入れたパステル系のメイク
ブタさんの貯金箱にしか見えない
いちおう数年前からずっと続いている、まともだったはずの振袖の本です。
着付けはいったいどこが?と思わず探してしまいましたが、着付け教室も開いている有名なところでした。
仮仕立てだったり、実際に帯を巻けないから固定するだけ、といのは雑誌の撮影ではよくあるはずです。
そもそも着物の撮影に慣れたプロのカメラマンなら、このくらいの着付けだとダメだしがあってもいいのではと思うのですが。
ここ数年きものの雑誌がたくさん作られるようになって、着付けの方もカメラマンさんも人手不足なのでしょうか。
慣れた方がよりギャラのいい仕事に移ってしまうのでしょうか。
奇抜なスタイルには比較的寛容なほうだと自負しておりますが、振袖がきものデビューとなる方もいらっしゃるでしょう。
そういう方が見る本が振袖の魅力を伝え切れていないのはとても残念です。
柄+柄のコーディネートを最初に提唱してきた方たちは、とてもセンスの良い合わせ方をしていました。
質感や色の分量、柄の大きさなどがトータルして見た時にバランスが良かったんですね。
でも今はなんでもかんでも柄+柄で、保守的な考えでなくてもどうかと思う組み合わせも多いです。
雑誌やCMできもの姿を見かけても、????と思うような色使いに驚くことも多くなりました。
この上着付けまでおかしくなったらどうしてくれましょう。
美容院の帰りに立ち寄ったお店は、白いコットンにミニチュアの熊手などで、すす払いをイメージしたディスプレイでした。
その熊手を見て、
「雑誌の着付けまでおかしいのが当たり前になったら、私は髪に小さい熊手をさして、きもの着て歩いてやる!」
と心に誓いました。
もし鷲(おおとり)神社あたりで熊手のミニチュアを髪にさして歩いている着物姿のあやしい人物を見かけたら、それは私です。
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by umemomosakura-map
| 2005-11-22 15:59
| きものあれこれ