「日本服飾の美 」を見てきました
2005年 12月 12日
以前このブログでお知らせしていた文化学園服飾博物館の「館蔵名品展 日本服飾の美 」 、最終日である先週の土曜日に行ってきました!
展示されていたのは賀陽宮敏子妃着用の十二単の他、江戸時代末・和宮着用の帷子、三井家旧蔵の打掛など、約80点。
江戸時代後期からの富豪などの打掛や小袖、十二単や大正天皇の御祭服などの宮廷衣装、大名家の陣羽織、これも大名家が所蔵していた能衣装にコーナーが分けられていました。
打掛は今ではお目にかかれないぶ厚い刺繍がほどこされていて、意匠の大胆さにも圧倒されるばかりでしたが、染めに関しては現在のきものより写実的で、絵画のよう。
手仕事のあたたかみの感じられる、どこか素朴な雰囲気でした。
日本に奥行きや立体感を持たせた絵画が現れたのは、江戸時代の中ごろか後期。
それ以前に派生した丸山派の絵師が書いたものなどが、現在の友禅などとはその点が異なるのも納得です。
陣羽織は泰平が続いた江戸時代のものなので、狩や儀式などに着用されていたそうですが、「尚武」「勝負」などにかけたモチーフがあったり、なかなか見栄えのする斬新なデザインで楽しめました。
家事になった時に避難する時のための奥方様の衣装、若君用の衣装もありました。
子供用のこうした時の衣装は珍しく、なかなか残っていないそうです。
十二単よりも目にする機会の少ない袿袴(けいこ)も見ることができました。
昭和天皇の即位の時に、高官の奥様方が着用されたのが、この袿袴だということです。
いわゆる十二単と言われている「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」より軽い服装です。
宮中の行事で使用されるこうした衣装は、染や刺繍はなくすべて織模様で表現されます。
打掛や小袖との対比が楽しめました。
印象的だったのは和宮の腰刀と懐剣です。
婚礼の際に兄・孝明天皇から贈られたものだそうですが、一方が皇室の菊、もう一方が徳川家の紋である葵のモチーフで飾られていました。
幼い頃に決まっていた有栖川宮熾仁親王との婚約を破棄し、遠く江戸・第十四代将軍家茂への元へ嫁ぐことになった妹への思いが込められているような気がします。
「残念!見たかった!」という方にお知らせが2つ。
◆この時の展示品の写真と解説が載った本を、来月のプレゼントにします。
和雑貨や和装小物のプレゼント企画を毎月開催しています。
今月は和風コスメと山本耕史さんの「新選組!」ポスター 和装・洋装(土方歳三の扮装)セットです。
うめももさくら プレゼントコーナー
ぜひご応募ください。
◆他にも興味深い展示をご紹介します。
・たばこと塩の博物館
企画展 「梨本宮家と渋谷 ~ある皇族妃が見た明治・大正・昭和~」
開催期間: 2005年11月19日(土)~2006年1月15日(日)
青梅きもの博物館が所蔵する宮廷衣装資料が中心だそうです。
写真は洋装と和装、両方が見られそうですね。
ちなみにこの企画店のページを見たら「ボンボニエール各種」という画像がありました。
黒田慶樹さんと清子(紀宮)さんの婚礼の際の引き出物は金平糖の入ったボンボニエール
だったとちょっとした話題になっていましたね。
>>たばこと塩の博物館 企画展のページ
・三井記念美術館
江戸時代に「越後屋」として呉服商と両替商と営んだ三井家が収集した美術品を見ることができます。
所蔵品には屏風や茶碗など、国宝も6点あるそうです。
※きものの展示ではありません。
開催期間:
開館記念特別展 I「美の伝統 三井家伝世の名宝」:11月17日(木)~12月25日(日)
開館記念特別展 II「日本橋絵巻」:2006年1月7日(土)~2月12日(日)
>>三井記念美術館
・日本民藝館
常時何か企画展をやっており、服飾に関するコーナーがあるそうです。
このブログでも以前ご紹介した(こちらを参照ください)「民芸が育んだ人間国宝」が間もなく開催です。
芭蕉布の平良敏子さん、道屯(ロートン)織・花倉織・花織などをてがける宮平初子さんを取り上げ、沖縄の染色品が展示されるとのこと。
>>日本民藝館のページへ
うめももさくら コメント&トラックバック お気軽にどうぞ♪
展示されていたのは賀陽宮敏子妃着用の十二単の他、江戸時代末・和宮着用の帷子、三井家旧蔵の打掛など、約80点。
江戸時代後期からの富豪などの打掛や小袖、十二単や大正天皇の御祭服などの宮廷衣装、大名家の陣羽織、これも大名家が所蔵していた能衣装にコーナーが分けられていました。
打掛は今ではお目にかかれないぶ厚い刺繍がほどこされていて、意匠の大胆さにも圧倒されるばかりでしたが、染めに関しては現在のきものより写実的で、絵画のよう。
手仕事のあたたかみの感じられる、どこか素朴な雰囲気でした。
日本に奥行きや立体感を持たせた絵画が現れたのは、江戸時代の中ごろか後期。
それ以前に派生した丸山派の絵師が書いたものなどが、現在の友禅などとはその点が異なるのも納得です。
陣羽織は泰平が続いた江戸時代のものなので、狩や儀式などに着用されていたそうですが、「尚武」「勝負」などにかけたモチーフがあったり、なかなか見栄えのする斬新なデザインで楽しめました。
家事になった時に避難する時のための奥方様の衣装、若君用の衣装もありました。
子供用のこうした時の衣装は珍しく、なかなか残っていないそうです。
十二単よりも目にする機会の少ない袿袴(けいこ)も見ることができました。
昭和天皇の即位の時に、高官の奥様方が着用されたのが、この袿袴だということです。
いわゆる十二単と言われている「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」より軽い服装です。
宮中の行事で使用されるこうした衣装は、染や刺繍はなくすべて織模様で表現されます。
打掛や小袖との対比が楽しめました。
印象的だったのは和宮の腰刀と懐剣です。
婚礼の際に兄・孝明天皇から贈られたものだそうですが、一方が皇室の菊、もう一方が徳川家の紋である葵のモチーフで飾られていました。
幼い頃に決まっていた有栖川宮熾仁親王との婚約を破棄し、遠く江戸・第十四代将軍家茂への元へ嫁ぐことになった妹への思いが込められているような気がします。
「残念!見たかった!」という方にお知らせが2つ。
◆この時の展示品の写真と解説が載った本を、来月のプレゼントにします。
和雑貨や和装小物のプレゼント企画を毎月開催しています。
今月は和風コスメと山本耕史さんの「新選組!」ポスター 和装・洋装(土方歳三の扮装)セットです。
うめももさくら プレゼントコーナー
ぜひご応募ください。
◆他にも興味深い展示をご紹介します。
・たばこと塩の博物館
企画展 「梨本宮家と渋谷 ~ある皇族妃が見た明治・大正・昭和~」
開催期間: 2005年11月19日(土)~2006年1月15日(日)
青梅きもの博物館が所蔵する宮廷衣装資料が中心だそうです。
写真は洋装と和装、両方が見られそうですね。
ちなみにこの企画店のページを見たら「ボンボニエール各種」という画像がありました。
黒田慶樹さんと清子(紀宮)さんの婚礼の際の引き出物は金平糖の入ったボンボニエール
だったとちょっとした話題になっていましたね。
>>たばこと塩の博物館 企画展のページ
・三井記念美術館
江戸時代に「越後屋」として呉服商と両替商と営んだ三井家が収集した美術品を見ることができます。
所蔵品には屏風や茶碗など、国宝も6点あるそうです。
※きものの展示ではありません。
開催期間:
開館記念特別展 I「美の伝統 三井家伝世の名宝」:11月17日(木)~12月25日(日)
開館記念特別展 II「日本橋絵巻」:2006年1月7日(土)~2月12日(日)
>>三井記念美術館
・日本民藝館
常時何か企画展をやっており、服飾に関するコーナーがあるそうです。
このブログでも以前ご紹介した(こちらを参照ください)「民芸が育んだ人間国宝」が間もなく開催です。
芭蕉布の平良敏子さん、道屯(ロートン)織・花倉織・花織などをてがける宮平初子さんを取り上げ、沖縄の染色品が展示されるとのこと。
>>日本民藝館のページへ
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by umemomosakura-map
| 2005-12-12 20:40
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